山田担御用改め 第三夜
今夜もしぶとくやります、りらです!
今日は、うん………リアコ勢としては胸が引き裂かれるかも知れませんが、山田担なら、沖田担なら、絶対に知っておかなければならないお話です。
出典は、司馬先生の「新選組血風録」(株式会社角川書店, 2003)です。
<沖田総司の恋>
は、はぁ………ハァーーーーーーーーーーーン………(地獄の果てまで続くため息)
タイトルからしてとんでもねえな。確実に私の息の根を止めてやろうという強い意志を感じる。合格。
一応朗読のお仕事を頂くことがある人間なので、この章はちゃっかり自分の声で宅録しました。全文掲載するのがダメなら、その音声ファイルここに貼ったろか!?!!?!?!?(どちらにしてもNG!!!落ち着け!!!)というくらいに好きです。
司馬先生って、人の首が飛んだり血が散ったり、血なまぐさい文章も巧みにお書きになるのに、「恋」の話になると粗野な部分が消えて、言いようのないピュアな切なさを醸し出すの、何なんでしょうね。天才とはこういうものなんでしょう。
燃えよ剣で描かれる土方さんとお雪さんのエピソードしかり、この「沖田総司の恋」も、色で例えるなら薄紫や薄桃色………儚さが滴り落ちるような表現をするじゃないですか。
堪らん…ハアァ、堪らんよ、先生。
「少女漫画みたいだ」、という表現をされている方も多いんですが、一概にそうとも言えないと思うんですよね。
私、結構少女漫画も読むんですが、司馬先生の書く「恋」は、ああいう類とも少し違うんじゃないかなあ、と。
とにかくひたすらに物悲しいんですよ、なんでかわからないけど。
少女漫画にあるような「激情!!!」「あなたが好きでたまらないのよ!!!大好き!!!」みたいな、生々しい体温を感じないというか。
粘り気のない、さらりとした流動的な感情なんですよね。沖田くんの恋もそんな印象です。
で、この章だけは、私自身おこがましくも宝物のように思っていまして、山田担の皆様にぜひ直接読んでいただきたいな…と思うので、あえて内容をほとんど書きません。
沖田くん、ご存知の通り結核を患っていまして、お医者様の所にこっそり通っています。
このお医者様の娘であるお悠さんに、沖田さんは淡い想いを抱くわけですね。
「愛」よりも「恋」よりも美しい感情です。あこがれ、に近いのではないかと思います。
そして、清水寺の描写があるのですが、これがもう、息が止まるほどに鮮やかで、美しい。土方さんと沖田さんの、ぽつりぽつりとした男同士のシャイな会話もいじらしい。
ゾクゾクしますよ。
メインプロットはもちろんこの恋の話ですが、それ以外にも、沖田くんの身の上や家族のこと(私の推しである、姉の「お光さん」も出てきます。脳内イメージは長澤まさみです、合掌)、池田屋事件の喀血(映画「燃えよ剣」でも出てくるみたい!!!)などなど、沖田さん情報が雪崩のように提供されるので、確実に泡吹いて倒れます。
それからかの有名な沖田総司の「三段突き」についても詳しい説明があります。
これ、字面がいかがわしくないですか!!?!?(鼻息)不謹慎ですみません。
山田くん、殺陣が初めてなのに、あっという間に体得してしまったという、あれです。
話がすっ飛びますが、沖田きゅん、何も知らないお医者様に「あんたの病気はまずいよ。どうせ大した素質があるわけでもないんだろうし、道場を休んで寝てなさい」と言われます。
「大した素質があるわけでもないだろうし」って、超ウケません!!?!?
私の中のギャルが腹抱えて笑ってるんですが。
全く、誰に向かって言ってんの…?っていう。何も知らないお悠パパ、ドンマイ。
この言いつけに対して沖田くん…
「ええ」
微笑した。守れるはずがない。
「ちゃんと臥ています」
滝のような涙……………………必殺、沖田総司のホワイトライ。略してホワラ。(脳内でハートを作るJUMPの皆さん)
この他、沖田くんのと近藤・土方とのぽかぽかした関係性も沁みるんですよね……
二人が沖田くんを本当に愛していて。
その親心というか、兄心というか、沖田を想う底無しの優しさが、沖田きゅんの美しい恋を思いも寄らぬ方向に捻じ曲げていきます。
近藤・土方兄さんがやっちまうんだよ、、、膨らんで花開きかけている桜の枝を、無自覚で手折るような暴挙。
これはもう、最悪。
近藤さんも土方さんも大好きだけど、この時ばかりはマジで斬り殺してやろうかと思いました。
全部ネタバレするわけにいかないので、沖田くんの名台詞だけそっと置いていきます。
「いや、ちがうんです。私はただ、あの娘をつまり、遠眼でみているだけでよかったんです。……それを」
言おうとしたが、言葉にならなかった。
アアアアアアーーーーーーーーーーーーーー(松明を掲げながら全裸で街を奔走する絵文字)
これ、あまりにも素晴らしいでしょ!??!
みなさん、脳内の山田涼介にこれを言わせてください。
ハ!?!!??!むりもう…うちわ食いそう……てかこんどのうちわ、この台詞にしようかな???(文字詰め込みすぎて何も見えない)
<槍は宝蔵院流>
斎藤一さんが登場しますよー!映画では松下洸平さんが演じます。
イケメンですよね!人気キャラというイメージです。
沖田くんと絡みを密かに期待しているんですが…どうだろう、あるかしら?
それでは例の如く、頑なに、沖田の人柄がわかる部分を脈絡0で紹介します。
「いまに土方さん、びっくりすることがおきますよ」
「なにがだ」
「言わない」
沖田は、隊士の告げ口をしたことのない男だから、土方もこれ以上問いつめるのはむだだということを知っている。
沖田くん、ゴシップ野郎でなんでも知っているのに、言うべきこととそうではないこと、きちんと分別がつくんですね。
隊の生き死にに関わることなら即刻動いて土方さんに報告するのでしょうが、自分の立場を良くするために上にすり寄ったり、隊士を売ったりは絶対にしないんですよね。
情に厚くて、肝が据わっているというか。
こういうところもまさに「ふしぎ」です。
だからきっと、私(の中のイマジナリー隊士)が隊に関係ない個人的な悩み事なんかを沖田くんに相談したら誠心誠意聞いてくれるんだろうな、と思うし、きっと周囲にも黙っておいてくれると思います。
好きです………沖田組長……この果たされない想いを抱いたまま夜な夜な声をかみ殺してさめざめ泣くでしょう、私の中のイマジナリー隊士が(誰ですか?)。
土方さんもね、沖田くんにすっかり気を許してますから、戦友近藤さんに言うのもちょっと気が引けるようなことまで、沖田くんには漏らしてしまいます。
「燃えよ剣」でも、「いやだなあ、訴え仏みたいにされちゃって」っていうシーンありませんでした???
土方はあとで沖田にこぼした。
「なんでも喋るらしい」
「さあ」
沖田は、こんなことには取り合わない。
(中略)
「総司、私がぼやいている、なんてのは、洩らすな」
「喋りゃしませんよ」
土方さん、完全に相手にされてなくてわろた……………
沖田きゅん、土方さんのボソボソした愚痴にはいつもこんな調子です。
でもちゃんと聞いてるんですよ、土方さんのこと大好きだから。
まるで妖精さんじゃないですか……一家に一台沖田総司の時代ですよみなさん…
それではまた明晩。
本が気になった方はぜひ!